さかなさんですどうもこんにちは!
今週は2023年1月の読書記録です。
せっせとまとめていた過去の読書記録もやっと2023年の記録に入りました〜。
これを書いている現実世界では年が明けて2024年になりました。
今年もいっぱい本読んだり美術館に出かけたりして記事にしていきたいと思っているのでどうぞよろしくお願いします^^
遠藤 和 著『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』内容と感想
遺された方たちの幸せを祈らずにはいられない。
21歳で大腸がんステージⅣの診断を受けた後に結婚、出産し、24歳で亡くなった和(のどか)さんの命の日記。
ステージⅣの診断を受けた後に結婚し、子どもを作る。
人生の何一つとして諦めまいとするその覚悟に圧倒されてしまった。
私は看護師なんだけど(現在は休職中)、医療に従事してるとどうしても現実的になりがちなんですよね。
経過も結末も、ある程度知ってしまっているから。
「辛い治療をするより、残された時間を有意義に過ごした方が…」って自然に思っちゃう。
それはもちろん相手を思ってのことではあるんだけど、でもそれが相手をひどく傷つける言葉でもあることは肝に銘じないといけないと思った。
『遠藤さん』と娘さんが幸せでありますように。
早見 和真 著『神さまたちのいた街で』内容と感想
大人の都合(信仰)に日常を蹂躙される子どもたち。
父親が交通事故にあったことをきっかけに、僕たちの家には『当たり前』がなくなった。
それぞれ別の宗教にはまってしまった両親に日常を壊される小学生の子どもたちの物語。
子どもが大人の都合(宗教)に振り回される様がしんどくてなかなか読み進められなかった…。
やっと少し光が見えたと思ったらまた地獄に突き落とされたり…。
信仰に救われている人がいる以上、宗教が悪だとは決して思わない。
けれど、それを他人、ましてや抵抗する術のない子どもに押し付けるのははっきりと悪だと思った。
しんどいだけで終わらない、少しでも光の見えるラストだったのが良かったな。
ジョージ オーウェル 著『一九八四年〔新訳版〕』内容と感想(オーディオブック)
すぐそこに有り得た未来。
1949年に著者が空想した『1984年』の世界の姿。
それは全てを監視され、党にそぐわないことを「考えた」だけで存在自体を消される社会だった…
いやもう怖すぎる。
動物農場を読んだ時にも思ったけどジョージオーウェル何者なん。
過去を改竄して党が「正しい」ことを証明する手法と、言葉を制限することで思考を制限する手法が特に怖かった。
社会が本気でこれをやりにかかったらきっと私も抗えない。
実際に有り得た、どころかこの先だって十分に有り得る未来だと思う。
読後は圧倒的絶望感を感じた。
権力を持つことは手段じゃなくて目的なんだ。
本文より
権力者は国民のためなんかで動かない。
ただ権力を維持することだけが目的なんだ。
知念 実希人 著『硝子の塔の殺人』内容と感想(オーディオブック)
『新本格』のフィナーレを飾るにふさわしい作品。
大富豪が建てた硝子の館で起こる連続殺人事件を描く新本格ミステリ。
確かにこれは『新本格』のフィナーレと呼ぶにふさわしいかもしれない…。
2重、3重に張り巡らされた伏線に脳がオーバーヒートした。
作者のミステリ愛がものすごくて、綾辻行人氏など実在の作品がいっぱい出てくるのでそれだけでちょっとニヤニヤしちゃう。ミステリ好きならとりあえず読んで損はない作品です。
にしても、内容とは関係ないけどやはり知念実希人氏の作品はオーディオブック向きじゃないなと改めて…
耳元でガーガー怒鳴られたりヒステリックに叫ばれまくるのしんどかった…
中村 文則 著『去年の冬、きみと別れ』内容と感想(オーディオブック)
関係者たちの圧倒的狂気。
2人の女性を殺害した犯人の本を書くことになった主人公。
だが取材を進めるほどに違和感が増していく。
なぜならこの事件は…
ジャンルとしてはミステリだと思うんだけど、事件の真相以上に関係者たちの『狂気』に圧倒される作品だった。
中村文則氏って文章そのものにものすごいパワーがあるよね。
直接心を抉ってくるような文章ほんと好き。
色々衝撃的すぎて、オーディオブックだったんだけど速攻で2回聞いてしまった。
もう一回読みたい。次は紙の本で。
これを読んだ後に中村文則氏が芥川賞作家だと知ってものすごく納得した!
道理でミステリなのに純文学を読んでいる気分になると思った!
純文学大好きだもんね。
そりゃ中村文則氏にハマるわけだ。
まとめ:
2023年1月は紙の本2冊、オーディオブック3冊の計5冊でした!
なんだか全体的に生だったり死だったり宗教だったり重い内容が多いですね。新年から何読んどんじゃ去年の私。
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
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おしまい
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