
さかなさんですどうもこんにちは!
本日の記事は先日訪れた「どこ見る展」の鑑賞レポです。
最近内省する機会が多いことも相まって、見てるのは絵なんだけど、なんだか自分の内側を見ているような気持ちになる不思議な展でした。
今回の展は全ての作品撮影OK。
全部撮るのも野暮なので、特に気になった作品だけ撮影してきました。
写真とともにご紹介していきます。
祈るための絵ー『父なる神と天使』


最初のコーナーでは、教会など祈りの場に飾られるために描かれた宗教画が数点展示されています。
こちらの『父なる神と天使』はその一つ。
「祈るために描かれた絵」という視点で見ると、見上げるような構図や神々しさが静かに心に染み込んできます。
多くの人が祈りを捧げてきた絵の前に、今自分も立っている。
そう思うと、その人々の祈りまでもが自分を包んでいくような、なんとも不思議な気持ちになりました。
目が覚めるような美しさに思わずシャッターー『アポロとダフネ』


この日、最初に写真を撮ってしまった作品がこちらです。



撮影下手すぎるでしょ
私もそう思う。ほんとごめん。
やっぱり植物や自然が描かれている絵が好き、というのもあるんですが、
この絵に関してはニンフ(妖精)のピンクのドレスが真っ先に目に飛び込んできて、その鮮やかさと可憐さに胸がときめきました。
こんな可愛くて美しいピンクの服作ってみたいな~。



最近服作りにはまってます!
磔刑の意味を知るー『三連祭壇画:キリスト磔刑』


写真撮りそびれてしまったので画像は国立西洋美術館のHPのものです。
中心に、磔にされた土気色の顔のイエスが描かれたこの作品ですが…。
実は私、昔から不思議だったんですよ。
「なぜキリスト教は、あの悲劇的な場面を信仰の中心に置くんだろう?」
って。
だって、信じる対象が磔にされる姿なんて、あまり見たい場面ではなくないですか??
でも、これもたまたまなんですけど、ごく最近萩尾望都の『トーマの心臓』を読みまして。
『トーマの心臓』は、キリスト教に見る『無償の愛』をテーマにした作品なんですけど。
それを読んで、その答えに近付いた気がしました。
この磔刑の瞬間こそ、イエスが人類に無償の愛を捧げた象徴なんだと。
祈る人たちは、あの姿を通して神の愛を思い出すんですね。
この日、初めて磔刑されたイエスの前で祈る人の気持ちが分かった気がしました。
そして、初めてその姿を「美しい」と感じました。
↓『トーマの心臓』はガチでマジで名作なのでぜひ読んでみてね↓
「なんで吊るしてんの!?」からの衝撃ー『マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物』


初めて美術の本でこの作品を見たときは



なにこれwwwなんで吊るしてんの??www
と思ったもんです…(笑)
でも(その本の)解説を読んで、『構図』というものを知り、その美しさを知り。
そしてこの展で実物を見た瞬間、この絵がただの静物画じゃないことを思い知りました。
吸い込まれるような緻密さと静けさ。
静物画なのにどこか宗教画のような厳かな雰囲気があって、本当に目が離せなくなりました。
あまりに感動して思わずミュージアムショップでキャンバスボードを購入(笑)
今もふと顔を上げれば目に入る位置にこの絵が飾ってあります。


でも実物の奥行きは本当に別格だったなぁ!不思議だ!
勝ち誇るイエス!?-『幼児キリストの勝利』
ここでしょうもない話題をひとつ。


こちらの『幼児キリストの勝利』の手の形…どこかで見たことありませんか…??





ジャンケン“ぜんぶ(グー・チョキ・パー)”じゃん!!!
小学生(特に男児)がよくやるやつなwww
マジでそれにしか見えなくてめっちゃ笑いましたw
タイトルと勝ち誇った表情が相まってほんとそれにしか見えない…可愛い…(ごめんなさい)
印刷では伝わらない微妙な感情ー『聖母子と聖ヨハネ』
この『聖母子と聖ヨハネ』はヨハネがイエスの受難を暗示している場面を描いたものです。


こちらも予習として事前に雑誌に掲載された絵を見ていて、そのときは今一つピンと来ていなかったんですけど、実物を前にその印象が一変しました。
「イエスの運命を悟ってなお穏やか」という解説に心から納得。
イエスの運命を受け入れて、慈しんで、なお穏やかに包み込むような聖母の美しい表情に魅了されました。
雑誌の絵ではそこまで繊細な感情は読み取れなかったなぁ。実物見れてよかった。
ひょっとして本物の布貼ってます??―『ポティエ・ド・ジェヴル枢機卿エティエンヌ=ルネ』
とにかく見て。


いや刺繍の表現どうなってるん。
絹糸の光沢といい布の立体感といい…



ひょっとしてそこ、本物の布貼ってます??
てなりました。マジで。
どうなってるんすぎて言葉がでない。思わず袖の部分だけアップで撮っちゃいました。
あと作者名と作品名が一生覚えられない自信ある。
まとめ:
印象派じゃない西洋絵画をじっくり見るのは久しぶりだった気がするんですが、やっぱり実物を生で見ると受け取れるものが全然違うなぁというのをしみじみ感じる展となりました。
作品と向き合いながらじっくり自分の内面と向き合えるのも美術館という「絵(作品)をみるためだけに用意された場」だからこそ、という気がします。
次はどんな展覧会に行こうかなぁ。



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おしまい
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