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【不登校】6年間引きこもりだった兄が妹の人生を変えた話 ①兄の引きこもり歴と妹の思い

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ある日家族が「引きこもり」になってしまったら

皆さんはどうしますか?

知りたくないですか?

引きこもり中の人が何を考えているのか。

気になりませんか?

引きこもりの兄を持つ妹は何を思うのか。

そして「その時」、家族である自分には何ができるのか。

私の兄は高校1年生の16歳から22歳まで、6年間引きこもりでした。

その後派遣アルバイトの期間を経て大学に進学し、現在は会社員として働いています。

私はそんな兄をずっと側で見てきました。

そしてある時、兄の存在によって自分の価値観・人生観がひっくり返ったのをはっきりと自覚しました。

私の人格形成に関わっていると言ってもいいぐらいです。

この記事では、その話をしたいと思います。

現在引きこもっている人

その家族

そしてこれから引きこもりになる可能性のある、全ての子どものお父さんお母さんに

「大丈夫だよ」

と伝えたい。

これは、そんな記事です。

以下は飽くまで私と、私の兄の例なので、全ての人に当てはまるわけではありません。
参考程度に、「そういう人もいるんだなぁ」と肩の力を抜いてご覧下さい。

目次

兄の引きこもり歴

16歳 高校1年生

高校入学より半年ほど経った頃、学校に行けなくなりました。

特に明確な原因やきっかけがあったわけではないようです。

兄うなぎ

というか、ぶっちゃけよく覚えてない

担任との面談を繰り返すも、結局高校1年で留年してしまいます。

17〜19歳 高校1年生(2回目)〜高校3年生

母が毎日車で高校まで送り迎えをし、何とか高校に通います。

とはいえ行って1時限だけ授業を受けて帰る、という日が殆どで、一日学校にいられたことは殆どなかったようです。

兄うなぎ

同級生の顔も名前も、一人も覚えとらん

母の頑張りもあり、何とか高校を卒業します。

20〜21歳 本格的な引きこもり

高校を卒業し外に出る必要がなくなった兄は、本格的な引きこもりに突入します。

引きこもりにも色々ありますが、兄は「家から出られない」タイプの引きこもりで

部屋から一歩も外に出ず、食事も部屋で…というようなことにはなりませんでした。

そもそもうち(さかなさんの実家)の子供用洋室3畳半しかないから、
引きこもれるスペースないけどね!

食事も普通に家族と取っていたと思います(私もうろ覚え)

雰囲気は物凄く悪かったですけどね。

それ以外の間はずっとネットゲームをやっていて、しっかり昼夜逆転してました。

21〜24歳 派遣に登録して社会復帰

引きこもり中に東方Projectにハマった兄は、グッズや同人誌欲しさに一念発起。

派遣会社に登録し、働き始めます。

書店の棚卸し作業や倉庫作業を主にやっていたようです。

東方Projectとは

ZUN氏が運営する同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作する同人弾幕系シューティングゲームを中心とした一連の作品群の総称。原作であるゲームの他、音楽、小説、漫画等コンテンツは多岐に渡る。
同人ゲームでありながら世界観が作り込まれており、原作者が二次創作に寛容だったこともあってネット上で一気に広まり、爆発的な人気を獲得した。
ちなみに兄はアリス(アリマリ)推し。

※執筆協力:梅尾家さん

24歳 まさかの解雇…からの予備校へ

派遣でせっせと稼いだお金をせっせと東方Projectに注ぎ込む日々を3年ほど送った頃、

兄は会社の都合により解雇されるという憂き目に合います。

しかし兄はここでまた一念発起。

大学へ進学するべく予備校に通い始めます。

さかなさん

一緒にあちこちの予備校を見学に行ったのはいい思い出

25歳 希望の大学に一発合格。25歳の大学1年生誕生。

1年間予備校に行き勉強した結果、兄は受験した全ての大学に合格。

第一志望であった東京理科大学への入学を決めます。

関東圏以外ではそこまで耳馴染みがない大学かも知れませんが、

MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の上、早慶上智(早稲田、慶應、上智)の下

と言われるレベルの大学です。

勉強開始時、中学レベルの学力しかなかった事を思うとかなり頑張った方ではないでしょうか。

 

ちなみに学部は違うけどさかなさんも同じ大学だよ。
兄の先輩が自分の後輩にあたるってもうわけわかんないね。

もしまた学校に行かなくなってしまったら…

一人も友達ができることなく卒業、というような事になってしまったら…

という家族の心配を他所に

兄は鳥人間コンテストのサークルに入り、自ら設計の勉強をしたり、鳥人間コンテストに出場したり

その中で一緒に旅行に行くほどの友達ができたり、カラオケオール(徹夜でカラオケ)をしてみたりと

しっかりと青春をやり直して大学生活を満喫したようです。

31歳 ついに社会に出る

その後は順調に大学を卒業。

2年間大学院にも行き、就活をして新卒で地方の企業に採用されました。

30歳を過ぎて初めて「家を出る」ことになったわけです。

遠方に旅立つ兄を見送った後、母は家で一人号泣したそうです。

さかなさん

そりゃそうだよね

その後一度転職も経験しますが、それはまた別の話。

その時妹は何を思っていたのか

では、これらの経緯を間近で見ていた妹(私)は一体何を思っていたのか

兄16歳 引きこもり(不登校)の始まり
妹13歳 中学生

こう見えて私、昔から根が真面目なもんで

いや、割とそう見られてると思うよ

学校はちゃんと毎日行くのが当たり前。行かない選択肢なんて思いもつかない。

そんな私にとっては明確な理由もなく兄が学校に行かなくなったのは青天の霹靂でした。

良いとか悪いとか以前に信じられなかったですね。

不登校の存在自体はもちろん知っていたので、「まさか身内が」という感じ。

高校留年するのを知った日にはもう兄が違う生き物に見えました。

さかなさん

いやさすがにそこまで思っとらんわ

兄17〜19歳 高校1年生(2回目)〜高校3年生
妹14〜16歳 中学生

このあたりになると、兄がいわゆる「不登校」になってしまったというのは理解しつつあったのですが

母が兄を毎日車で送迎している事がとにかく気に入りませんでした。

「また」兄だけ特別扱いか

そう思いました。

というのもうちの母、長男である兄の中学生時代の反抗期に対処しきれず

ほとんど兄の言いなり状態になってたんですね。

さかなさん

少なくとも当時の私にはそう見えてました

毎日の食事にしても何にしても、兄の意向が最優先。

そんな流れからの毎日の車での送迎だったので

「また兄だけ特別扱いしてる」

と苦々しく思っていました。

そしてそのイライラを母にぶつけたりしていました。お母さんごめん。

20〜21歳 本格的な引きこもり
妹17〜18歳 高校生

高校生になると私も自分のことで忙しくなったからか、

あまり兄に対してどう思っていたという記憶がないのですが

高校を卒業していよいよ外に出る必要がなくなり、一日中家でネトゲをするようになった兄のことを

普通に駄目なやつと思ってた気がします。

なんなら家にお金も入れず電気代ばかり食い潰す最低なやつぐらいに思ってたかも知れません。すまん、兄。

兄うなぎ

まあ事実だしな

でもそれを本人に言ったことはなかったと思います。

それがせめてもの救いかな。

兄21〜23歳 派遣に登録してとりあえず社会復帰
妹18〜20歳 大学生

派遣に登録して働く、と聞いた時は嬉しかったですね!そりゃもう本当に嬉しかった!

折角稼いだお金をこんな事(東方Project)に注ぎ込んで…

という思いは少なからずあったものの、基本的には兄とは良好な関係でした。

兄も大分精神が安定して意識が外に向いてきており

人との会話や外出するきっかけを私に求めているような感がありました。

さかなさん

言っちゃえば、当時の兄にとっては妹がただ一人の「友達」だったんだよね

弟もいるけど、圧倒的に妹の方が趣味嗜好が一緒で気が合ったからね

私としてももちろん兄が外に出るのはいいことだと思っていたので、積極的に外出に付き合っていました。

この頃から、兄というより弟という感覚になっていきます(笑)

兄24歳 派遣切りからの予備校
妹21歳 大学生

兄うなぎ

大学受験をする

と兄から聞いた時は、派遣で働き始めると聞いたときより驚きました。そして嬉しかったですね。

私自身もかつて予備校に通い、大学受験を経験していたので、

その知識と経験を活かして一緒に予備校選びをしたりしました。

私と同じ大学を受験すると聞いた時は、正直

さかなさん

お前どんだけ妹好きやねん

と思いましたけどね(笑)

ただ、内心流石にそこまでは無理かなぁとも思ってました。

だって兄、高校はほぼ行ってないようなものなので

勉強開始当初、実質中学までの学力しかなかったんですよ。

それが受かっちゃうんだもんなぁ…

これは本当、今でもすごいなぁと思います。

25歳〜 大学生
妹22歳〜 看護学生

妹の方の経歴ちょっと待て

いや〜、
やっと長男が大学に行ったと思ったら今度は長女が就活やめて看護学校行くとか言い出すんだから、

母も気が気じゃなかったでしょうねぇ(笑)

まあ私の話はいいとして

いざ大学に行くことが決まったはいいものの

先述の通り、家族(私含め)は不安でした。

また学校に行けなくなってしまったら…

一人も友達ができることなく卒業、というような事になってしまったら…

そんな心配を他所に、兄は大学生活を満喫します。

心配は消え、むしろ「兄、すごい」と尊敬の念を抱くようになっていきました。

そして、ある価値観が産まれる

そんな日々を送るようになったある日

多分、何か特別なきっかけがあったわけではないと思います。

ある時、自分の中の価値観が完全にひっくり返ったのをはっきりと自覚しました。

「兄は、ゆっくり成長していただけだったんだ」と。

「成長のスピードは、人によってこんなにも違うんだ」と。

はっきりとそう思いました。

それは、今までずっと視界の端に写りこんでいた正体不明の何かが急に消えてなくなったような

それまで道を塞いでいた物が急に消え去って、一気に視界が開けて遠くまでよく見えるようになったような

なんとも不思議な感覚でした。

「兄も、私も、大丈夫だ」

そう思いました。


さかなさん

次の記事では「引きこもり当時の兄の気持ち」
そして「今、私が思うこと」を書いてます!

是非次の記事も読んでみて下さい

次の記事はこちら⇩

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この記事を書いた人

元ICU看護師。2児(5歳♀、2歳♂)の母です^^
現在は個人事業主として在宅ワーク中。

人生を楽しみ尽くすことを目標に、日々の楽しかったことや勉強したことをブログに綴っています。

ジャンルは住まい(一条工務店)、育児、学んだことの記録、読書記録など、色々。

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