【本当にあった】現役看護師の恐怖体験①満員のエレベーター

自己紹介にも書いてますが
さかなさんは看護師として総合病院に勤務しています(現在は育休中)

これ言うと結構な割合で聞かれることがあります。

お答えしましょう。





あります。



というわけで今日は、私や私の同僚が実際に体験した、病院の恐怖体験をお伝えしようと思います！

ちなみに私自身は極度の怖がりなので、怖い話が好きだと勘違いして怖い話をしてくるのはやめてください(笑)

恐怖体験①満員のエレベーター　ICU勤務Kさんの独白

あれは、やっと仕事にも慣れてきた入職3年目ぐらいの時だったと思います。
その日の夜勤はいつにも増して忙しくて、休憩も殆ど取れずに一晩中働き詰めでした。

夜中に急に必要になった薬があって、その薬を私が薬局まで取りに行くことになったんです。

4時前ぐらいだったかな。
寒い季節でしたし、外はまだ真っ暗でした。


薬局に向かうために廊下に出ると、廊下は薄暗くて、ひんやりとしていました。

病棟の皆はまだ忙しく立ち働いていて、アラームも鳴りっぱなしだったので、
病棟の扉を閉めると、急に全ての音が遠ざかったようで、廊下の静けさがより強く感じられて

まるで世界から隔絶されたような心地がしました。

と同時にそれまでの疲労が一気に襲ってきて、
私は半ばぼんやりとしながら薬局に向かいました


薬局は地下にあるので、エレベーターに乗らなければいけません。
私はエレベーターの階下に向かうボタンを押しました。


うちの病院はかなり古くて、エレベーターも旧式なので、
ゴウンゴウン、とかなり大きな音がします。

エレベーターはすぐに来ました。

扉が開くのに合わせて踏み出した足は、扉が開ききる前に止まりました。

エレベーターが満員だったんです。

入院用の寝間着を着ている人、私服の人、点滴台を押している人、子供、大人、老人…。

様子は様々ですが、とにかく沢山の人がギュウギュウに乗っていて、
とても私が乗る余地はありません。


ついてないなあ、と思いながら私はそのエレベーターを見送りました。

でも、エレベーターの扉が閉まってから、気付いたんです。


今が、4時にもなっていない、深夜だということに。

こんな時間に、あんなに沢山の人が、エレベーターに乗っているわけがないってことに。


幻覚かな？と思いました。

その時は本当に疲れていましたから。


でも、一瞬だけ見えた、エレベーターに乗っていた人たちの顔が、あまりにも鮮明で。
その疲れきったような、虚ろな表情が、あまりにも鮮明で。


……再びエレベーターが開いた時、もうそこには誰も乗っていませんでした。

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これは私がまだ新人だった頃に、同じ病棟の先輩Kさんから聞いた話です。

Kさんはなんとなくこの事を口に出してはいけない気がして、
薬をもらって病棟に戻ってからも、その後何年も経っても、誰にも言えなかったそうです。

何となく、もう言っても大丈夫かな、と思ったのは最近なんだとか。


Kさんはまるで他人事のように淡々と話していましたが、最後にぽつんと


「もしあのエレベーターに乗っていたら、どうなっていたんだろうね」


と呟いたのが印象的でした。

おしまい

⇩現役看護師の恐怖体験第2弾はこちら