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さかなさんですどうもこんにちは!
今回は久しぶりにあの記事いきます。
私や、私の同僚が病院で実際に体験した
恐怖体験パートⅡです!!
今回はちょっとハートフルな要素もある内容となっておりますので
是非最後までお楽しみ下さい^^
それと、前回も書きましたが
私自身は極度の怖がりなので、怖い話が好きだと勘違いして怖い話をしてくるのはやめてくださいね★
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恐怖体験② 最後のお別れ ICU勤務Sさんの同僚Aさんの話
ICUっていうと、どんなイメージがありますか?
人工呼吸器をつけて寝たきりの患者さんを大勢の看護師がケアしてる…とかそんな感じですかね。
確かにそういう人も多いですが、普通に喋れる人も結構多いんですよ。
意識はしっかりしてるけどいつ再出血するか分からないから24時間の観察が必要な人とか、
大きい手術後で、バイタルサイン(血圧、脈拍等の生命兆候)が安定するまで念の為1〜2泊ICUにいてもらうとか。
Tさんはそういう患者さんでした。
消化器関連の結構大きな手術をして、念の為ICUに入ってもらう事になったんです。
とはいえ本人は手術の翌日から看護師に冗談も言えちゃうぐらい元気で、本当は一泊だけして一般病棟に移る予定でした。
早く一般病棟に行って美味しいご飯が食べたいわ、なんて言っていて。
でも、そうはならなかったんです。
どうも血液検査の結果がよくなくて、ちょっと怖いから一応もう一日ICUにいてもらおう、ということになって。
でも、翌日も検査結果はよくならなくて。
もう一日、もう一日と延長されて。
そして4日目、創部感染が確認されました。
創部感染というのは文字通り傷口に細菌が侵入して感染を起こすことです。
創部感染を起こすと傷が塞がらないばかりか、細菌が血液内に侵入して敗血症という状態になり、
最悪、死に至る場合もあります。
Tさんは高齢でしたし、糖尿病もあったので、元々リスクの高い患者さんでもありました。
これは長くなる。
誰も口には出しませんでしたけど、その場にいた誰もがそう覚悟しました。
Tさんの担当看護師は、Sという看護師でした。
中堅どころの若い看護師で、患者さんとお喋りするのが好きなので、Tさんが元気だった時にはよく2人で冗談を言い合って笑っていました。
Tさんの創部感染が分かった時、誰よりもショックを受けたのはS看護師だったんじゃないかと思います。
きっと、担当看護師ということで責任も感じていたんじゃないかな。
もちろん、創部感染が起こってしまったのは誰のせいでもないんですけど。
創部感染が判明した後も、S看護師は表面上はいつもと変わることなくTさんと接していました。
時々冗談を言いながら。
段々とTさんの笑顔が弱々しくなって、殆ど頷くことしかできなくなっても。
やがてTさんは一日の大半を眠って過ごすようになりました。
S看護師は静かになってしまった病室で、それでも頻繁に創部を洗浄し、ガーゼを交換していました。
創部感染してしまった時は、創部をできるだけ清潔に保つのがとても大切なんです。
それでも創部が塞がる気配は全くなく、数値は悪くなるばかりでした。
結局、その患者さんは一ヶ月近くICUにいました。
危惧した通り、創部感染から敗血症を併発して全身状態が悪くなって。
透析をするか、人工呼吸器をつけるか、というところまで行ったんですけど、
高齢でしたし、ご家族の希望もあってそこまでの治療はせず、
最後は肺炎から呼吸不全になって、あっという間に亡くなってしまいました。
手術の傷は最後まで塞がりませんでした。
日曜日のことで、S看護師は連休中でした。
S看護師の同僚が気を遣って、ラインでS看護師にTさんの訃報を伝えると
「教えてくれてありがとう」
とだけ返信があったそうです。
Tさんが亡くなってから最初のS看護師の勤務は夜勤でした。Tさんが亡くなった2日後の事です。
夕方出勤してきたS看護師は、今は誰もいないベッドを一瞥しただけで、何も言いませんでした。
夜勤は4人体制ですが、他の3人もやはり何も言いませんでした。
なんとなく気まずい雰囲気を孕んだまま、その日の夜勤はスタートしました。
うちの病院は、21時が消灯時間です。それはICUも例外ではありません。
そんなに患者さんが多い時期でもなかったので、滞りなく業務は進み、
消灯後はいつも通り、4人共ナースステーションに戻ってきて電子カルテにその日の記録をしました。
まだなんとなく重苦しい雰囲気を引きずっていたからか、
最低限の灯りしか点けていないナースステーションが、いつもより暗く感じられました。
それが起こったのは、深夜零時になる少し前だったと思います。
何故時間を覚えているかというと、私がその日担当していた患者さんは深夜零時にバイタルサインを測定しなければいけなかったので、
「そろそろ行かなきゃな」
と電子カルテに向かいながら考えていたところだったからです。
それは、突然起こりました。
ぶぉんっ―――
急に、耳慣れた――でも絶対に今聞こえるはずのない――音が響きました。
ナースステーションにいた4人が、え?と一斉に顔を上げました。
音がしたのは、二日前までTさんが入院していた個室からです。
ICUはナースステーションから全ての個室が見渡せる構造になっています。
Tさんのいた2番ベッドを見ると、ベッドサイドのモニター(脈拍や心電図などの患者さんの状態をリアルタイムで表示する装置)が起動していました。
何が起こったのか、理解できた人はいませんでした。
Tさんの死後、個室は片付けられ、もちろんベッドサイドモニターの主電源も落とされていたからです。
主電源をリモコンで点けることはできません。
誰かが2番ベッドのある個室へ行き、ベッドサイドモニターの電源ボタンを直接押さない限り、電源は点かないはずなのです。
誰もが動けずにいたその時―――
ブィィィィィ・・・ガタガタガタッ
と大きな音が、今度はすぐ近くのナースステーション内で聞こえ、
私たちは今度こそ心臓が止まるんじゃないかと思うほど驚きました。
見ると、ナースステーション内に設置されたプリンターが起動しています。
もちろん誰も、プリンターにもパソコンにも触れていません。
ウィー、ウィー……
といつもの耳慣れた印刷音と共にプリントアウトされてきたのは、
Tさんの、亡くなった時の熱型表(バイタルサイン等を経時的に記録した表)でした。
3人の、戸惑いに揺れた視線が、恐る恐るといった感じでS看護師に集まりました。
「私が印刷したんだよ」
そう言って欲しかったのです。
でも、そんなはずがないことはみんな分かりきっていました。
その熱型表もまた、2号室に据え置かれたパソコンからでないと印刷できないものだったからです。
S看護師はしばらく黙ったあと
「きっと、お別れを言いに来てくれたんだろうね」
とだけ言ってさっさとバイタルサインを測りに行ってしまいました。
私たちはそれからもしばらく動けず、Tさんの熱型表を見つめていました。
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いやー、ハートフルでしたね
この話、流石にできすぎだと思いません?
そんなことあるわけないって思うじゃないですか。
私もぶっちゃけそう思ったんですよ。いや、流石にないでしょ〜って。
なんですけどね。
この話を聞いたのが、たまたまS看護師以外の夜勤メンバー3人が揃ったお昼休みだったんですけど、
その3人が
「もーあれは本当に怖かった!」
「やばかったですよね!あれ以来2室(2番ベッドのある個室)に一人で入れないんですよ…」
「S看護師はなんか平然としてたけどね〜」
とワイワイ騒ぐのを見て
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あ、これマジなんだ…
と絶望的な気分になりました。
おしまい。
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